セシルマクビーが外国人研修制度を悪用して荒稼ぎしていると話題ですね。技能研修制度の仕組みにより、合法的に実質的な蟹工船状態を作り出すことができることは以前から問題視されていました。

以前も書きましたが、私はひょんなことから内装リフォームの仕事を手伝ったことがあります。
そこで外国人研修生と出会ったので、少し思うところを書いてみたいと思います。

途上国の人材は、「日本で収入を得ながら先進国の技術を身につけられる」と明るい未来を夢見て来日したにも関わらず、日本のブラック企業にほぼ奴隷状態で安い労働力として消費されてしまいます。

ここで質問です。

あなたはこの問題をどの程度「自分ごと」として見ていますか?

「まじかよブラック企業最低だな」

あなたは、

「途上国の人は大変だな」

「日本に生まれてよかった」

「ブラック企業反対!」

といった感想を持っていますか?

…残念ながら世界の経済は刻々と変わっており、日本は後進国とは行かないまでも物価水準は先進国の中では最低レベルと言われています。

それに対し、中国には世界中からお金が流れ込み、まだまだ貧富の差はあれど上海などの都市部ては既に東京を超える生活水準になっています。そういった地域の豊かな人々が、品質の高い物品を安価で買える日本に流れ込み、いわゆる「爆買い」しているわけです。

日本が「先進国」で、中国は安い人件費が大量に確保できる後進国という時代は既に終わりました。大げさではなく、現在進行形です。

目減りし続ける「日本」の価値

話は冒頭の外国人研修制度に戻りますが、研修生たちは、自国では満足な生活を送るために十分な収入を得ることが難しいため、日本に「出稼ぎ」に来ています。

長年のデフレの影響で、日本は物価も賃金も上がらない状況のままですが、周りのアジア諸国は存在感を増して来ていますし、他の先進国は着実に年々成長しています。
日本の価値は、相対的に日々目減りしていっているのです。

しかし日常的にテレビなどで見るのは、「海外から見た日本がすごかった!」などというような自画自賛番組の数々。
メディアに流されて現実から目を背けていると、痛い目を見ることになりそうです。

日本人の「美徳」が仇となる国際ビジネスの世界

日本人は愚直で勤勉な国民性を持った若い労働力を最大の武器として、国際経済において急成長を遂げ、先進国の仲間入りを果たしました。
目に見えない細部にまでこだわることを美徳とする生真面目さ・愚直さが、世界トップクラスの”made in Japan”品質を生み出したのです。
食べるものもろくになかった焼け野原を高層ビル立ち並ぶメトロポリスに成長させた先人たち功績は計り知れません。

しかし、日本が豊かになった過程で人件費は高騰。
日本の物価や賃金が上がる事自体は喜ばしいことですが、その結果として高品質の日本製品の生産コストも合わせて高騰。
国際社会で競争力のある価格を維持することが難しくなってきました。

国際化は日本人ひとりひとりの課題

良い商品を開発しても、すぐにコピーされて中国で安価な模造品が出回る。
良いサービスを提供しても、ビジネスモデルを外資系企業に真似されて市場シェアを奪われる。

グローバルに事業を展開する企業等は、日本品質を維持しつつも製造拠点や素材の仕入先、業務委託先等を海外へ移し、生産・開発コストを下げる努力で国際社会で生き残ってきましたが、家族経営の零細企業や個人事業ではなかなかそうもいきません。

そのため企業はコストを下げ競争力を上げる「企業努力」の一環として人件費・残業代を出し渋り、「ブラック企業」という言葉が市民権を得るまでになりました。
労働基準法を遵守せずに労働力を搾取する不法な企業は秒速で滅ぶべきですが、真にボーダレス化した国際経済では、健全な経営をしている企業が生き残ることが困難なことも事実です。

このままのトレンドが続くと、日本は遅かれ早かれ先進国のポジションをキープするのが難しくなるでしょう。

この危機感をひとりひとりが感じ、海外の業者とのコミュニケーションができる人材の育成など、行動を起こしていくことを願っています。

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