「事故で発生した費用、損害金として今月の給料から引いておくから」

私が右も左もわからない社会人になりたて一年目の頃。

業務で運転していたマツダのボンゴトラックをタクシーに横からぶつけてしまうという交通事故を起こしてしまった。

当時勤めていた会社は零細Webサイト制作業者だったのだが、どういうわけか家のリフォームの見積もりの同行(OJT)ということでマツダのボンゴトラックを運転していた。

もう一度言うが住宅のリフォームである。Webのリニューアルではない。

壁紙の寸法を一通り測るのを興味深く観察してリフォーム見積もり準備が終了。私の運転で帰社していたのだが、慣れない運転で途中タクシーに衝突してしまったのだ。

私は気が動転してしまっていたが、とりあえず会社に電話して報告。

上司も同乗していたので、タクシーの運ちゃんとの話は上司がしてくれました。

どうやら示談という話になったのか定かではなかったが、その場で警察を呼ぶこともなく、そのまま帰社することに。今振り返るとホンマに大丈夫か、と思う。

業務上の事故の損失を負担する会社は実在した!

その直後に冒頭のセリフが上司から放たれたのである。

「仕事でミスしたら給料天引きされるんだな」と若かりし私は理解したが、今のご時世そんなことないよね。

天引きとなったのは数万円程度だったので、話題のアート引越センターさんの例のように月の収入がなくなる程ではありませんでした。

とはいえ当時は首都圏在住にも関わらず月の手取りが15万円、しかも100万円の借金を抱えていたので資金繰りがかなりしんどかったですが…
月々の返済を滞らせるわけにはいかず月15万で本当にギリギリ、毎日の食べ物も白米に梅干しの弁当などで切り詰める生活でした。

ある月には一時的に持ち金が底をつき、延滞してしまったこともあります。

度重なる催促の電話に、「いつヤクザみたいな人に恫喝されるんだろう…」と恐怖していたことを思い出します。

ちなみにその後月給15万円生活から脱出してなんとか返済に至ったものの、しばらくクレジットカードが作れなくない身分になってしまいました。

基本給5万で残業代10万…何時間働いたらそうなるの

さて上述したアートコーポレーションの闇深き給与明細ですが、マイナスが大きい点以外にとても違和感に感じた点があります。

基本給が約5万円で、残業代が約10万円という比率です。

残業代が出る条件で労働していれば、基本給を1とすると、残業時には1.25倍などの係数をかけた割増賃金を支給することが多いと思います。ちなみに残業代は、1日の労働時間が8時間を超えた場合から発生します。

出典: 東京労働局『しっかりマスター労働基準法』

しかし、話題になった給与明細にはその月の労働時間は約230時間と記載があります。

残業代が8時間から発生する前提で計算すると、何やらおかしなことになります。

1日8時間勤務で月20日勤務したと仮定して、残業なしで160時間/月。

残業は約70時間ということになります。

深夜勤務手当がほとんどついていないので、1日あたり3~4時間ほど残業したと計算します。1時間の休憩を含めて8時~18時、残業4時間で21~22時くらいまで。そもそも結構しんどいな…

基本給と残業代、衝撃の時給は

上記の条件でざっと計算すると、

基本給が160時間で 5万円→時給300円ちょっと

残業代が80時間で 10万円→時給1250円

という衝撃の結果に。

基本給は最低賃金ってなにそれおいしいの?状態。

残業代は2.5割り増しどころか、基本給の4倍以上。そんなことある???

社員に残業させるために残業代を割高にしているのだろうか。謎は膨らむばかり。

毎日遅くまで肉体労働してなんとか食べていけるだけの収入…
なのに事故の弁償でそれも吹っ飛んでしまうなんて、黒い、黒すぎる。

お客様の大切な家具に傷をつけないため、多少のペナルティがあるのは百歩譲って意図はわかりますが、その結果月給がマイナスになるというのは明らかに制度上の問題でしょう。

そのような会社からは一目散に逃げるが勝ちですね。

私のなけなしの給料、さらに10%下がるの??

さて私が社会1年めのある日、「健康保険の費用など控除して翌月から手取りが更に1割ほど減る」という通達を突然突きつけられました。うそやろ…

15万で借金返済がギリギリだった私はさすがに来月から食べていけないと思い、すぐに辞意を伝えました。

当時月に240時間程度の勤務で手取りは固定で15万円/月の残業代なしという状況だった私には、ある勝算があったのです。

残業代が出れば余裕で月20万円は超える…

そして私はすぐに「残業代が出る会社に転職する」方法を猛リサーチしました。

いろいろ調べた結果、手っ取り早く確実に収入をアップできて、かつ残業代も確実に出るのは「派遣」形態での仕事でした。派遣なら残業代が確実に出る。
とにかく、大手の派遣業者には片っ端から登録しました。

英語が多少好きだった以外に取り柄も経験もなかった私でしたが、最初の会社で少しWeb制作についての経験や知識が付いたことが幸いし、Webの知識と英語を使う仕事がすぐに見つかりました。某大手グローバル企業でのWebマーケティングの仕事です

余談ですが、当時学んだサラリーマン処世術は下記の記事で。

残業を減らし評価を上げる!敏腕トヨタマンが使う「行動のテンプレート」とは?

転職最高…!!年収がいきなり2倍以上になった私

業務開始当初の時給は1,800円/時で1日実働7.5時間。

月に換算すると約27万円ですが、残業も発生したので、実質は平均30万円ほどでした。ほぼ新卒の若造にしてはまずまずではないでしょうか。

この時点で年収が約360万円ほどになったので、社会人一年目と比較して実に2倍の年収になりました。転職バンザイ!

私が当時登録したのは以下の派遣業者です。
超特急で決める必要があったので、案件数の多い大手に優先的に登録しました。

私の場合、最終的に希望の条件に合致する案件がタイミングよく出てきたのはアデコでしたが、どの会社も同じようなレベルの案件を持っていたので運の要素もあると思います。

派遣登録して希望する条件の仕事に巡り合うために特に重要だった3つのポイント

1.複数業者に登録して、チャンスの間口を広くする

派遣会社によって持っている案件が結構違います。
大手複数社に登録しておき、アンテナを張り巡らすことで、条件の良い転職案件を見逃すリスクを最小化しましょう。
上記のような最大手クラスで3〜4社登録しておけばOK。

余談ですが、パソナの登録には趣味でやっていたスケボーで行きました。
さすがにスケボーを面接会場に持っていくのは気が引けたので路上に置いておいたら、面接後には忽然と消えていました。ジーザス!

2.案件は毎日チェックする

継続的に自分の条件に合う仕事を探し続けましょう。
特に近年転職市場は活発化しており、毎日のように新たな空きポジションが発生しています。
条件のよい案件は早く埋まってしまう可能性が高いため、アンテナを張り続けるようにしましょう。

また、自分が登録した会社はもちろん、その他にも視野を広げておいたほうがよいでしょう。
登録していない会社の案件でも、すぐに登録・面接を依頼すれば話をすすめることが出来ます。

3.転職前に自分のスキルを高めておく

私は当時少し英語ができたことと、一年目のWeb制作の経験が功を奏し、大きくキャリアアップすることが出来ました。
多くの場合、報酬額の高い案件は、より高いスキルを求められます。
あなたに向上心があり、今後2倍、3倍と年収を伸ばしていきたいなら、毎日自分のスキルを伸ばす「習慣」をつけましょう。

一日一個英文を覚えるでもいいですし、希望業界の専門知識や資格の勉強でも構いません。
自分の成長は収入にダイレクトに影響することを意識しましょう。

ちなみに私の場合は海外ドラマの『Friends』を英語字幕で見ることを習慣にしていました。

一日少しの英語学習で、さらに年収2倍も可能…ただし○○が絶対条件

ちなみに私の元同僚も、元々はガードマンだったのですが英語力を生かして転職し、今や超大手グローバル企業の本社で映像マーケティングの仕事に従事しています。

この後、私はさらに年収を2倍以上にすることに成功しましたが、ここまで長くなったのでその話はまた次回。

継続的に年収をアップしていくための絶対条件について書きます。

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