「こういう資料を急ぎで作りたいんだけど、明日までに作れるかな?」

私のサラリーマン人生の中で、一番印象に残っているのはクライアントであったトヨタマンからの「急ぎの資料作成や修正」です。

冒頭の台詞の後には、よく「明日の朝イチの会議で使いたいんだ、お願い」と続きます。

そのような日は、大体遅くまで残業して資料を直していました。

しかし、資料作成は言うほど簡単ではありません

頭痛持ちの私にとっては残業、というか夕方以降の仕事はしばしば苦痛を伴います。時間が経つに連れ段々と頭が痛くなり、思考は鈍化し、作業効率はみるみる落ちて行きます。

そんな状態で作る資料の出来はお世辞にもよいとは言えません。
依頼されたタイミングがタイミングなので質が低いことは理解してもらえましたが、個人的にはせっかく資料を作るなら「すごく分かりやすい資料だね!」と褒められるくらいのクオリティのものを出したいと常々思っていました。
しかし、特別な研修やトレーニングを積んだ訳でもない平凡な平社員の私にそんな技術はありません。

そこで、常日頃一緒に仕事をしていたクライアントである敏腕トヨタマンから「仕事術を学ぼう!」と、彼の仕事ぶりをよく観察するようになりました。

ちなみにそのトヨタマンは異例のスピードで出世を果たしたエリート中のエリートであることを付け加えておきます。

「ポイントは、3つあります」

敏腕トヨタマンの仕事ぶりを観察するうちに、彼が繰り返し行う、「行動のテンプレート」のようなものが見えてきました。

それはよく、指を三本立てて、「3つあります」と言う事です。

  • プレゼンでアジェンダを紹介する時、、、
  • 上司に企画決裁の重点を説明する時、、、
  • 友人の披露宴のスピーチの時、、、

ココぞという時に「3つ」のフレームで要点を絞り、説明するのです。
その時に、手振りで「3つある」という動作も必ずついてきます。

対面で説明するときだけでなく、資料作成においても「テンプレート化」されていました。

例えば、企画資料作成の際…

まず、A4の紙をおもむろに取り出し、青いボールペンで資料のフレームを書いていきます。

多くの場合、構成はタイトルと3つのフレーム(枠)にわけられます。

よく使っていたパターンは、下記のイメージです:

【タイトル(テーマ)】

 フレーム1.背景・課題

 フレーム2.課題の分析と解決策

 フレーム3.実施スケジュール

フレーム2が一番要所となる部分なので、少し大きめにスペースをとっておきます。
フレームの構成ができたら、早速その中を埋めていきます。

既に「テーマ」は決まっているので、それに対応する背景情報や、具体的な課題、それに対する解決策の案、そして実施スケジュールの欄をひとつひとつを書いていきます。

フレームを分けることでそのフレーム内に意識を集中でき、アイデアを出しやすくなります。

どこでも使える「3」の魔力

資料を作っている最中、何も思いつかずにフレームの中を埋められない時もあります。
そんなときも「ポイントは3つ」と言いながら、とりあえず「①、②、③」と、フレームの中に番号を書きます。

そして各フレームの内容を3つの内容に分割し、細切れにすることでアイデアが出やすくなるように環境を整えるのです。

例えば下記のようなイメージです。

【商品Aの顧客離れ対策企画案】

1.背景・課題
①.過去
②.現在(課題)
③.今後の見通し

2.課題分析と解決欄
①.課題の原因の分析
②.課題の分析を元にした仮説
③.仮説に基づいた課題解決方法の案

3.実施スケジュール
①.直近のアクション
②.PDCA計画
③.達成目標

そうして出来るのが…

このような資料です:

※敏腕トヨタマンが使っていた資料と同様のテンプレートが、後述する書籍の購入者特典として配布されています。

蛇足ですが、3つに絞ることで、逆にあれもこれも、とポイントがあやふやになってしまわないよう、必要な情報に絞ることができる、というメリットもあります。

今すぐに真似出来て、今すぐに結果を出せる!

私はすぐにこの、「3つ」の力を活用する手法を、見よう見まねで自分の仕事でも活用するようになりました。

それは実に効率的で、元々何もないところから企画などを考えたり、何かを提案することが本当に苦手だった私ですら、あまり深く考えずとも資料の7割程度は30分もかけずにできてしまうようになりました。

私は元々地頭が平凡だったので、こういった強力な「行動のテンプレート」を一つ身につけるだけで、地頭力の高い高学歴トヨタメンと肩を並べて仕事ができるようになったのは非常に感慨深いものでした。

そして何より感動したのは、こうして作成した資料は構成上ロジカルに組み立てられるため、内容の訴求力が高く、非常にパワフルな資料になったことです。

以後、私の思考整理力や資料作成の効率は劇的に向上し、仕事にかける時間が削減出来た一方、敏腕トヨタマンからの評価が急激に上がりました。
その結果としてトヨタマンから受注する仕事の量も増え、自社内での評価も上々。
当時のボーナスが増えたことは言うまでもありません。

これは、私のサラリーマン人生で一二を争う仕事効率化ノウハウとなりました。

同様のノウハウは、先日ダイヤモンドオンラインで話題になっていたこちらの書籍で、より具体的、包括的に解説されています。

「いまの説明、わかりやすいね!」と言われるコツ

画像は渋谷のTSUTAYAでの様子ですが、ツタヤ書店でのランキングで1位獲得から始まり、Amazonではビジネス書ランキング1位、Yahoo!トップにインタビュー記事掲載と、飛ぶ鳥を落とす勢いの書籍をご紹介します。

【「今の説明、わかりやすいね!」と言われるコツ 】です。略して「イマセツ」。

本記事で取り上げたノウハウは企画書などを書く際の例ですが、この本では上司へのレポートや関連部署との各種調整、会議での立ち振舞いなど、より「コミュニケーション力の向上」に特化した内容となっています。

著者の浅田さんは私がお世話になった某敏腕トヨタマンとは別の方ですが、やはり同じトヨタマンということで共通のDNA。同様のノウハウが網羅されています。
私も経験した行動のテンプレート「3つあります」についても、なぜそれがベストなのか?よくわかる内容でした。

また、図解なども多く、非常に読みやすい一冊です。
そこは、「シンプルに、必要な情報を必要なだけ伝える」ことを意識した結果でしょう。

少し前まで品切れでプレミア付き状態でしたが、現在はAmazonで販売中です。
Yahooで話題になったことにより品薄が想定されますので、在庫がある場合はお早めに入手することをオススメします。

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「コミュニケーション力」は控えめに言って「人生で最も価値のあるスキル」

私のサラリーマン人生での大きな教訓のひとつは、「コミュニケーション力は何者にも勝る」です。

仕事上、どんなに技術力があっても、どんなに専門知識があっても、対人コミュニケーションのスキルがない人間はそれだけでダメ人間の烙印を押されてしまったり、不遇な待遇を受けていたと体感してきました(逆に、中身があまりない人間でも、小手先のコミュニケーション力だけでひょうひょうと世渡りするような人もいますが)。

もちろん仕事上だけではなく、プライベートでの人間関係でも当然ながらコミュニケーション力は遺憾なく必要とされます。
コミュニケーションのミスで、どれだけ枕を濡らしてきたことか…

イマセツ書影

「イマセツ」はAmazonランキングやダイヤモンドのインタビュー記事でも話題の書籍となっていますが、「相手が必要な情報を、必要なだけ、わかりやすく伝える」スキルの重要性は実に様々な層に評価されているようです。ぜひAmazonのレビュー欄もチェックしてみてくださいね。

【「今の説明、わかりやすいね!」と言われるコツ / サンマーク出版】のレビューを確認する

P.S. しかしいくらなんでも「やりすぎ」では…

ちなみにこの書籍を購入した読者には、購入者限定特典が3つ…ではなく9つもついてきます。
Kindle版で1,000円、紙の本で買っても1,400円程度の書籍に対し、これでもかとばかりに「やりすぎ特典」をつけているわけですが、その中でも以下の3つは個人的に特筆しておくべきと思いました。

注目の特典その1.有料講座の動画が視聴できる

著者の浅田さんは、トヨタでの経験や独自の理論から編み出した一連の「思考整理術」を体系化してセミナーや法人研修、オンライン講座等で広めています。
そのオンライン講座の一部を特典として無料で視聴できるということですから、書籍代の元は取れてしまうわけです。

注目の特典その2.トヨタ時代から実際に使っている資料テンプレート(Excel)

本記事でご紹介したような、一つのテーマを3つのポイントでまとめていく情報整理術を日々の仕事で使えるよう、著者が実際に使っているExcelフォーマットをダウンロードできます。
私も使っていますが、工夫が凝らされており使いやすいテンプレートが業務の時短のサポートとして活躍してくれています。

注目の特典その3.「わかりやすい説明」の極意を動画で実演

わかりやすい説明をサポートする「動作」を実際に著者のセミナー動画を使って解説してくれます。
文字と挿絵ではどうしても限界があるので、動画で補完してもらえるのは非常にありがたい特典です。

残りの6つの特典は、ぜひ読書後のお楽しみにしてくださいね。

 
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